騏驎も老いては駑馬に劣る

解説

【読み方】
きりんもおいてはどばにおとる

【意味】
騏驎も老いては駑馬に劣るとは、どんなにすぐれた才能を持つ人でも、年をとって衰えると平凡な人にも及ばなくなるというたとえ。

【注釈・由来】
「騏驎」とは、一日に千里も走るすばらしい馬。駿馬のこと。
「駑馬」は、足ののろい駄馬。転じて、平凡な馬・愚かな馬のことをいう。
騏驎のようなすぐれた名馬であっても、年老いると足ののろい駄馬以下になるという意味から、いかにすぐれた人物であっても老いによってその才覚は鈍り、普通の人にも劣るようになるということ。
『戦国策・斉策』に「騏驎の衰うるや、駑馬これに先んじ、孟賁の疲るるや、女子これに優る」とあるのに由来する。
「ききも老いては駑馬に劣る」ともいう。

【出典】
『戦国策』斉策

【例文】
日本中を熱狂の渦に巻き込んだあのピッチャーも、今となっては見る影もない。騏驎も老いては駑馬に劣るものだね。

【注意】
上記の意味を踏まえれば、「騏驎」を「麒麟」と書くのは誤り。
しかし、古く中国では「騏驎」と「麒麟」を「平和の象徴」として同じものとみなすこともあった。
そもそも「騏驎」という字の由来は、キリン(麒麟)のように足の速い馬の意からきているという説もある。
ただし、「麒麟も老いては駑馬に劣る」と表記する多くの例は、このような理由からではなく、単に漢字を見間違っている可能性が高い。

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