大器晩成の解説
【読み方】
たいきばんせい
【意味】
大器晩成とは、偉大な人物は、大成するまでに時間がかかることのたとえ。
【注釈・由来】
「大器」には、大きな器のほか、人並みはずれた才能や器量や大人物の意味もある。
「晩成」は、遅れてでき上がることや、年をとってから成功すること。
鐘や鼎(かなえ=鍋状の器)のように大きな器は、簡単には作り上げることができないということから、すぐれた人物は時間をかけて実力を養っていくものなので、大成するまでに時間がかかるということをいう。
『老子・四一』に「大器は晩成し、大音は声希く、大象は形無し(偉大な人物は大成するのが遅く、きわめて大きい音はかえってほとんど聞こえず、きわめて大きな形をもっているものは、かえってほとんど姿が見えない)」とある。
【出典】
『老子』
【例文】
・今はくすぶっているが、大器晩成というから十年も経てばきっと成功しているだろう。
・優れた才能があっても、地道な努力をしなければ大器晩成することはありません。
・「あなたは大器晩成型だから」と言われ続けると、それが慰めの言葉でしかないことに気づくものだ。
【注意】
「大器晩生」と書くのは誤り。
大器晩成の関連語
【類義語】
大器は晩く成る/秀才は晩成にしかず/大きい薬缶は沸きが遅い/最も美なる果実はその熟すること最も遅し/ゆっくり行く者は遠くまで行く/ローマは一日にして成らず
【対義語】
小鍋は直に熱くなる/小さな湯沸しは直ぐ熱くなる/蛇は寸にして人を呑む/栴檀は双葉より芳し/十で神童十五で才子二十過ぎれば只の人
【英語のことわざ】
・Better late ripe and bear than early blossom and blast.(早く花が咲いて枯れるよりも、遅く熟して実を結ぶほうがよい)
・Who goes slowly goes far.(ゆっくり歩む者が遠くまで行く)