五十歩百歩

解説

【読み方】
ごじっぽひゃっぽ

【意味】
五十歩百歩とは、わずかな違いだけで、本質的には変わらないことのたとえ。同様の立場にありながら、相手を嘲笑する愚かさをいう。

【注釈・由来】
五十歩百歩は、次の故事に由来する。
中国の戦国時代に、梁の恵王が「自分は、凶作の地にいる民を豊作の地に移住させるなど、常に人民に気を配っているのに、なぜ各地から人民が集まらないのだろうかと孟子に尋ねたところ、孟子は「戦場で五十歩逃げた者が、百歩逃げた者を臆病者だと嘲笑したら、どう思うかというたとえ話をした。
「逃げ出したことには変わりないのだから同じだ」と答えた恵王に、孟子は「その道理がわかっておられるなら、人民の数が他国より多くなることなど望まないことだ(人民が苦しむのを凶作のせいにしていては、他国の政治と大差はない)」と言ったという。

【出典】
『孟子』

【例文】
・ここまでの大赤字が続けば、もはや百万円の損も二百万円の損も五十歩百歩だ。
・性能においても価格においても五十歩百歩なので、どちらを選んでも問題ありません。
・自分の方が演技がうまいと言い争っているが、通行人役の演技など、主役陣から見れば五十歩百歩だ。

【注意】
差が大きすぎるもの同士に使うのは誤り。
誤用例 「偏差値が30の大学と65の大学を受験するのとでは、五十歩百歩ほどの差がある」

すぐれたもの同士に使うのは誤り。
誤用例 「ノーベル平和賞も、国民栄誉賞も、五十歩百歩の大きな賞である」

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