亀の甲より年の功の解説
【読み方】
かめのこうよりとしのこう
【意味】
亀の甲より年の功とは、年長者の豊富な経験は貴重であり、尊重すべきものだということ。
【注釈・由来】
本来は「亀の甲より年の劫」と書く。
「劫」は、きわめて長い時間。
「甲」は甲羅のことで、「(亀の)甲」と「(年の)劫」の同音をかけてできたことわざ。
亀は万年生きると言われており、それに比べれば人生の八十年程度は短く感じるとしても、年長者の経験から身につけた知恵や技術は貴ぶべきだという意味。
江戸時代のことわざ集でも、多くは「亀の甲より年の功」と書かれており、「功」でも意味は通じるため、「劫」の漢字にこだわる必要はない。
【出典】
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【例文】
・世代や価値観が違うからと言って、親の言うことを否定ばかりしてはいけないよ。亀の甲より年の功で、君たち若者にはない知恵を持っていることもあるのだから。
・さすがに亀の甲より年の功ですね。とても貴重なご意見ありがとうございます。
・亀の甲より年の功というように、年長者の話に耳を傾けて損することはない。
【注意】
「年の功」を「年の効」と書いたり、「年をとる」の意味で使うのは誤り。
誤用例 「亀の甲より年の功というもので、数年前までは楽にできた登山も今は足が痛くて登れないよ」
亀の甲より年の功の関連語
【類義語】
蟹の甲より年の功/烏賊の甲より年の功/松笠よりも年嵩/無駄に鳥居の数をくぐらぬ/老馬の智/老いたる馬は道を忘れず/馬に道をまかす/医者と坊主は年寄りがよい/医者と味噌は古いほどよい
【対義語】
騏驎も老いては駑馬に劣る/老いては子に従え
【英語のことわざ】
・Age and experience teach wisdom.(老いと経験は賢明さを教える)