船頭多くして船山に上る

船頭多くして船山に上るの解説

【読み方】
せんどうおおくしてふねやまにのぼる

【意味】
船頭多くして船山に上るとは、指図する人が多くて方針の統一がはかれず、物事がとんでもない方向にそれてしまうことのたとえ。

【注釈・由来】
船頭とは、和船の船長のこと。
一艘の船に何人も船頭がいたら、船は山に登ってしまうようなおかしな方向に進んでしまうことから、指図する人ばかりが増えて物事が見当違いの方向に進んだり、うまく運ばないことをいう。
「多くして」は「多うて」「多くて」「多ければ」「多けりゃ」、「山に上る」は「山へ上る」「山に上げる」「山に着く」などともいう。

【出典】

【例文】
・あのチームには優秀な人材ばかりが揃ったが、船頭多くして船山に上るで、それぞれリーダー的な要素が強いため、案外うまくいかないかもしれない。
・船頭多くして船山に上るというもので、指示通りに動ける人がいなければ収拾がつかなくなる。
・船頭多くして船山に上るで、誰の指示に従ったらいいかわからないようでは困るから、上はリーダーとサブリーダーがいればいい。

【注意】
「船頭多くして船山に登る」とも書かれるが、「登る」は意図的であったり踏ん張ったりして、高い所へ進むことを意味するため、「上る」を使う方が好ましい。

船頭多くして船山に上るの関連語

【類義語】
船頭多くして船岩に乗る船頭多ければ岩に乗る船頭多けりゃ沖に乗り出す役人多くして事絶えず謀夫孔だ多し、是を用て集らず舎を道傍に作れば三年にして成らず下手の大連れ

【対義語】
三人寄れば文殊の知恵

【英語のことわざ】
・Too many cooks spoil the broth.(コックが多すぎるとスープがうまくできない)
・Many dressers put the bride’s dress out of order.(着付けをする人が多いと花嫁の服装が場違いになる)

【索引語】
船頭多い上る

【分類】
人生・社会 > 失敗・落ちぶれる
状態・程度 > 多い,食い違う

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