読み方
かっしていをうがつ
渇して井を穿つの意味・解説
渇して井を穿つとは、必要に迫られてから慌てて準備をしても、間に合わないことのたとえ。また、時機を失することのたとえ。
由来などの解説
「穿つ」は、掘る、穴をあけるという意味。
喉が渇いてから井戸を掘っても手遅れだということから。
『素問』には「乱已に成りて而る後に之を治む。讐タトへば猶ほ渇して井を穿ち、闘ひて錐を鋳るが如し」とある。
「井」は「せい」とも読む。
出典
『素問』
例文
明日の試験に備えて徹夜をしても、それまで怠けていたのなら、渇して井を穿つというものだろう。
注意
ひどく欲しがる(喉から手が出るほど)という意味で使うのは誤り。
誤用例 「あと十万円さえあれば乗り切れると思うと、渇して井を穿つ思いだ」
渇して井を穿つの類語・対義語
類義語
渇に臨みて井を穿つ/渇に臨みて井を掘る/飢えに臨みて苗を植う/はまった後で井戸の蓋をする/泥棒を捕らえて縄を綯う/盗人を見て縄を綯う/喧嘩過ぎての棒乳切り/諍い果てての乳切り木/戦を見て矢を矧ぐ/敵を見て矢を矧ぐ/難に臨んで兵を鋳る/溺るるに及んで船を呼ぶ
対義語
備えあれば憂いなし/転ばぬ先の杖/濡れぬ先の傘/遠慮なければ近憂あり/暮れぬ先の提灯