覆水盆に返らずの解説
【読み方】
ふくすいぼんにかえらず
【意味】
覆水盆に返らずとは、いったん離縁した夫婦の仲は元に戻らないことのたとえ。転じて、一度してしまった失敗は取り返しがつかないということのたとえ。
【注釈・由来】
「覆水」とは、こぼれた水のこと。
周の太公望は、若い頃貧乏なのに働かず読書ばかりしていたので、妻は愛想を尽かし出て行った。
後に太公望が出世して高位につくと、出て行った妻が復縁を求めてきたが、そのとき太公望は盆の水をこぼして「この水を元に戻せたら復縁に応じよう」と言ったという故事に由来する。
【出典】
『拾遺記』
【例文】
・これから頑張るとかまじめにするとか、今さら誠意を見せても覆水盆に返らずよ。もう遅いわ。
・ちょっとした一言で友人との関係が壊れてしまった。覆水盆に返らず、ただただ後悔しかない。
・覆水盆に返らずと気がついてからでは手遅れだ。ミスのないよう常に注意を払わなくてはいけない。
【注意】
「覆水盆に帰らず」と書くのは誤り。
覆水盆に返らずの関連語
【類義語】
覆水収め難し/覆水不返/覆水難収/覆水不可収/破鏡不照/流水源に返らず/落花枝に返らず/落花枝に上り難し/破鏡再び照らさず/落花枝に返らず、破鏡再び照らさず/破鏡重ねて照らさず、落花枝に上り難し
【対義語】
焼け木杭に火が付く
【英語のことわざ】
・It is no use crying over spilt milk.(こぼれたミルクを嘆いても仕方がない)
・Things done cannot be undone.(一度なされた事は元に戻せない)