背水の陣の解説
【読み方】
はいすいのじん
【意味】
背水の陣とは、失敗すればもう後がないという、せっぱつまった立場で事に当たることのたとえ。
【注釈・由来】
背水の陣は、川・湖・海などを背にして構えた陣立てを意味し、退却すれば水に溺れてしまうことから、一歩も退くことができないという状態で事に当たることをいう。
漢の功臣韓信が趙と戦ったとき、兵たちを敢えて山上の砦から下ろして不利な立場にし、川を背にして戦わせた。兵たちは一歩も引けない状態で、死に物狂いで戦闘し、趙の軍を打ち破ったという、『史記・淮陰侯列伝』の故事に由来する。
【出典】
『史記』
【例文】
・この選挙に敗れれば、もう後がない。背水の陣を敷いて戦う覚悟だ。
・ここまできたら背水の陣で臨むしかないだろう。
・背水の陣を敷いて全力で取り組まなければ、我が社は倒産してしまう。
【注意】
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背水の陣の関連語
【類義語】
井を塞ぎ竈を平らぐ/糧を捨てて船を沈む/釜を破り船を沈む/川を渡り船を焼く/船を沈め釜を破る/死中に活を求める/死地に陥れて後生く/死地に陥れ然る後に生く
【対義語】
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【英語のことわざ】
・burn one’s boats(bridges).(背後のボート(橋)を焼く)
・Who draweth his sword against his prince must throw away the scabbard.(主君に逆らって刀を抜く者は、さやを捨てなければならない)