獅子身中の虫の解説
【読み方】
しししんちゅうのむし
【意味】
獅子身中の虫とは、内部にいながら害をもたらす者や、恩を仇で返す者のたとえ。
【注釈・由来】
獅子の体内に寄生しておきながら、獅子を死に至らせる虫の意味から。
もと仏教語で、仏教徒でありながら仏教に害をもたらす者のことをいった。
『梵網経』に「獅子身中の虫、自ら獅子の肉を食らい、余外の虫に非ざるが如し。是くの如く仏子自ら仏法を破り、外道・天魔の能く破壊するに非ず(獅子は自身の体内に巣食う害虫に食われて死ぬのであり、外からの虫に食われるのではない。これと同じように悪い仏徒が自ら仏法を破壊するのであり、外道や天魔が仏法を破壊するのではない)」とある。
【出典】
『梵網経』
【例文】
・獅子身中の虫を駆除しなければ、この組織が潰れるのも時間の問題だ。
・彼はチームのために心血を注いでいるが、結果的に獅子身中の虫になっている。
・経営陣があんな対応をするんだから、獅子身中の虫が現れても仕方あるまい。
【注意】
「獅子心中の虫」と書くのは誤り。
獅子身中の虫の関連語
【類義語】
獅子身中の虫獅子を食らう/恩を仇で返す/陰に居て枝を折る/飼い犬に手を噛まれる/庇を貸して母屋を取られる/軒を貸して母屋を取られる/片屋貸して母屋取られる/鉈を貸して山を伐られる
【対義語】
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【英語のことわざ】
・A thorn in one’s flesh.(身体の中のとげ)
・Better an open enemy than a false friend.(偽りの友よりも明らかな敵のほうがよい)