心頭滅却すれば火もまた涼し

解説

【読み方】
しんとうめっきゃくすればひもまたすずし

【意味】
心頭滅却すれば火もまた涼しとは、どんな困難や苦難も、それを超越した境地に至れば、苦痛と感じなくなるものである。

【注釈・由来】
「心頭」とは、心のこと。
「滅却」とは、消し去ること。
無念無想の境地に至れば、火さえも涼しく感じられるということから、どんな苦痛であっても、心の持ち方次第でしのげるという教え。

甲斐恵林寺の僧 快川紹喜が、織田信長の軍に攻められて火にかけられた際、「心頭滅却すれば火もまた涼し」と言って死んでいったとされる。
ただし、『甲乱記』では、快川紹喜と問答をした高川和尚の発言となっている。
杜荀鶴の詩『夏日悟空上人の院に題す』に「安禅必ずしも山水を須いず、心中を滅し得れば自ら涼し(安らかに座禅をくむには、必ずしも山水を必要とするわけではない。心の中から雑念を取りされば火さえも涼しく感じるものだ)」とある。

【出典】
『杜荀鶴』

【例文】
・心頭滅却すれば火もまた涼しだ。自分の置かれた状況を嘆いてばかりいるとは情けない。
・冷静さを保つよう、自分自身に「心頭滅却すれば火もまた涼し」と言い聞かせた。
・心頭滅却すれば火もまた涼しと思ってエアコンを切っていたら、熱中症で倒れてしまった。

【注意】

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