羹に懲りて膾を吹く

読み方

あつものにこりてなますをふく

羹に懲りて膾を吹くの意味・解説

羹に懲りて膾を吹くとは、以前の失敗に懲りて、必要以上に用心深くなることのたとえ。

由来などの解説

「羹」とは、野菜や魚肉を入れて作る、熱い吸い物のこと。
「膾」とは、現在は酢などで味付けをした冷たい和え物のことだが、そもそもは獣や魚の肉を細かく切った肉のことをいった。
熱い吸い物で口をやけどした者が、なますのような冷たい料理も吹いて冷ますという意味から。
多く、なにもそこまで用心深くなる必要はないのに、というあざけりの気持ちを込めて使う。
『楚辞・九章』では「羹に懲りて膾を吹くように、用心深く身の安否を顧みよ」という意味で使われている。
「こうにこりてかいをふく」とも読む。

出典

『楚辞』

例文

羹に懲りて膾を吹くで、彼は自転車を盗まれてからというもの、鍵を4つもかけるようになった。

注意

「熱いものに懲りて膾を吹く」というのは誤り。

「念には念を入れる(慎重すぎるほど注意する)」の意味で使うのは誤り。
誤用例 「採点ミスがないように、羹に懲りて膾を吹くほど何度も見直した」

英語のことわざ

The burnt child dreads the fire.(やけどをした子供は火を怖がる)
He that has been bitten by a serpent is afraid of a rope.(蛇に噛まれた者は縄を怖がる)
A scalded cat fears cold water.(煮え湯でやけどをした猫は冷水を恐れる)

羹に懲りて膾を吹くの類語・対義語

類義語

羹に懲りて和え物を吹く/蛇に噛まれて朽ち縄に怖じる/黒犬に噛まれて赤犬に怖じる/黒犬に噛まれて灰汁の垂れ滓に怖じる/舟に懲りて輿を忌む/火傷火に怖じる

対義語

焼け面火に懲りず/喉元過ぎれば熱さを忘れる

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逆引き分類

キーワード

懲りる吹く

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