恒産なくして恒心なし

恒産なくして恒心なしの解説

【読み方】
こうさんなくしてこうしんなし

【意味】
恒産なくして恒心なしとは、一定の職業や財産を持たなければ、しっかりとした道義心や良識を持つことはできないということ。

【注釈・由来】
「恒産」とは、一定の職業や財産のこと。
「恒心」とは、正しさを失わない心。
孟子が人々の生活安定を政治の基本として、その必要を強調した言葉。
『孟子・梁恵王上』に「恒産無くして恒心有る者は、ただ士のみ能くするを為す。民の若きは即ち恒産無ければ、因りて恒心無し(一定の生業が無くても安定した道義心を持つことができるのは、学問修養のできた士だけである。一般の人は生活が安定しなければ、安定した道義心を持つことができない)」とある。

【出典】
『孟子』

【例文】
恒産なくして恒心なしというが、このまま景気が悪化し続ければ治安が心配だ。

【注意】
「恒心」を「孝心」と書くのは誤り。

恒産なくして恒心なしの関連語

【類義語】
恒産なきものは恒心なし/常の産なき時は常の心なし/衣食足りて礼節を知る/倉廩実ちて礼節を知る/礼儀は富足より生り、盗賊は飢寒より起こる/富貴にして善をなし易く、貧賤にして功をなし難し

【対義語】

【英語のことわざ】
From hand to mouth will never make a worthy man.(手から口へという貧しい生活[その日暮らし]では、立派な人にはなれない)

【索引語】
恒産無い恒心

【分類】
人生・社会 > 信仰・教え
状態・程度 > 不安定

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