杯中の蛇影の解説
【読み方】
はいちゅうのだえい
【意味】
杯中の蛇影とは、疑いの心をもって見ると、なんでもないことでも疑わしく見えてくるということのたとえ。
【注釈・由来】
杯中の蛇影は、『晋書・楽広伝』にある以下の故事に由来する。
晋の楽広という人物の友人が楽公の部屋で酒を飲んでいたとき、杯に映った影を見て蛇と思い込み、その酒を飲んだことを気にして病気になった。
それを聞いた楽公が友人に「それは蛇ではなく、弓の影が映っていただけだ」と言うと、たちまち病気が治ったという。
「盃中の蛇影」と書いたり、「杯中のじゃえい」といったりもする。
【出典】
『晋書』
【例文】
・それは杯中の蛇影というもので、彼は君を陥れようだなんて思ってはいないよ。
・杯中の蛇影で家族まで信用できなくなってしまった。
・杯中の蛇影を見ているに過ぎないのだから、友人の忠告に耳を傾けたほうがいい。
【注意】
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杯中の蛇影の関連語
【類義語】
疑心暗鬼/疑えば目に鬼を見る/疑いは暗中の人影/幽霊の正体見たり枯れ尾花/落ち武者は薄の穂にも怖ず/窃鈇の疑い/茄子を踏んで蛙と思う
【対義語】
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【英語のことわざ】
・To be afraid of his own shadow.(自分の影を恐れる)