狡兎死して走狗烹らるの解説
【読み方】
こうとししてそうくにらる
【意味】
狡兎死して走狗烹らるとは、必要なときは重宝がられるが、用がなくなればあっさり捨てられることのたとえ。
【注釈・由来】
「狡兎」とは、すばしっこい兎。「走狗」とは、猟犬のこと。
兎を捕まえる猟犬も、兎が死んでいなくなれば用無しになり、煮て食われることから、価値があるときは大事にされ、なくなれば簡単に捨てられることをいう。
「烹らる」は「煮らる」とも書く。
本来は、敵国が滅びると、軍事に尽くした功臣であっても不要になって、殺される意味に用いられた。
越王勾践を助け、呉王夫差を破った氾践は、自分が伍子胥の二の舞になると悟り、同僚だった大夫の種に手紙を送り、君も越にいては危険だから勾践の元を去ったほうがよいとすすめた時に言った言葉に由来する。
『史記・越世家』に「飛鳥尽きて良弓蔵められ、狡兎死して走狗烹らる(鳥がいなくなれば良い弓も捨てられ、兎が死ねば猟犬も煮て食われる)」とある。
【出典】
『史記』
【例文】
狡兎死して走狗烹らるで、業務提携して方針が変わった途端、重宝がられていた人材がリストラにあった。
【注意】
元々あった能力がなくなったために切り捨てられるという意味で使うのは誤り。
誤用例 「狡兎死して走狗烹らるで、営業成績が悪くなったために左遷された」
狡兎死して走狗烹らるの関連語
【類義語】
狡兎死して良狗烹らる/狡兎尽きて良犬烹らる/猟禽尽きて走狗煮らるる/飛鳥尽きて良弓蔵る/敵国破れて謀臣亡ぶ/世治まって後、良臣亡ぶ/お払い箱になる
【対義語】
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【英語のことわざ】
・The nurse is valued till the child has done sucking.(子供が乳を飲んでいる間は乳母も大事にされる)
・When the fish is caught the net is laid aside.(魚が捕らえられると網は捨てられる)